最果て写真館

 時刻表の地図を見るたび、盲腸線の終点に目が行ってしまいます。最果ての土地、ただそこにある行き止まり。
 魯迅は作品中で「もともと地上に道はない 歩く人が多くなればそれが道になるのだ」という名言を残しました。この名言を地で行く盲腸線の行き止まりには、思わずグッと来るものがあります。



稚内駅(JR北海道・宗谷本線終点)

 日本の鉄道、北の最果てです。
 宗谷本線は旭川から稚内まで259kmもある長大な盲腸線で、特急列車に乗っても3時間半以上かかります。行きは良くても、帰りも鉄道だとちょっとうんざりです。
 そういう理由で、ここの最果て感は他の追随を許さないものがあります。


根室駅(JR北海道・根室本線終点)

 ホームから線路の終わりがかなり離れていたのであまり最果て感がありませんが、東の最果てです。
 「日本最東端の駅」と書いてありますが、実は駅という字の左上あたりに小さく「有人」と入っています。多少インチキです。ちなみに最東端は一つ前の東根室駅で、こちらはひどく寂れた無人駅でした。


岩泉駅(JR東日本・岩泉線終点)

 知る人ぞ知る超閑散線、岩泉線の最果てです。
 岩泉線は1日に3往復しか走っていません。1回乗り過ごすともう終電です。盛岡駅から岩泉まではバスもあり、そっちの方が利便性は良くなっています。そのバスはJRバスでした。もう会社からも見捨てられているんでしょうか。
 


左沢駅(JR東日本・左沢線終点)

 山形のローカル線、左沢線の最果てです。
 駅が新しかったので、他のローカル線の秘境的な雰囲気とは一味違った最果て感があります。


大前駅(JR東日本・吾妻線終点)

 草津温泉で有名な吾妻線の最果てです。
 殆どの列車が一つ前の万座鹿沢口駅発着なので、ここで降りるのは地元の人と物好きのどっちかのようです。良い最果てっぷりです。


境港駅(JR西日本・境港線終点)

 水木しげるの故郷、境港線の最果てです。
 ここに来るときに乗った列車には、妖怪の絵がたくさん描かれていました。列車以外にも、駅近くの街頭が目玉のおやじだったり、鬼太郎の銅像が建っていたりしました。妖怪嫌いの人には耐えられないかもしれません。
 近年整備されたせいか、近代的な最果てです。


枕崎駅(JR九州・指宿枕崎線終点)

 日本の鉄道、南の最果てです。
 あたり一面無秩序に生い茂る雑草とその雑草に埋もれている最果ての姿には、思わずグッとくるものがあります。


野辺山駅(JR東日本・小海線,JR線最高駅)

 JR線で最も高い地点にある野辺山駅です。これも一応、最果てです。
 ちなみに駅近くの水洗の公衆トイレは、標高が高いために水が凍結してしまうそうで「春まで閉鎖」という旨の貼り紙がありました。文字通り冬と春の到来を告げるトイレでした。


西大山駅(JR九州・指宿枕崎線,日本最南端の駅)

 枕崎駅に向かう途中、JR線最南端の駅の標です。沖縄にモノレールが開通したので、日本の最南端ではなくなりました。
 周囲にはなにもなく、その分開聞岳がきれいに見えます。ロード・オブ・最果てを彩る、良い秘境感を醸し出しています。


大社駅(大社線終点)

 廃線になった大社線の最果てです。写真は線路の終わりではなく、線路跡に新しく道ができた出雲市方向に向かって撮っています。
 駅舎とホーム周辺の線路は良い保存状態のまま現存していました。他とは一線を画する重厚な最果て感があります。


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