特別企画9・岩泉線に乗る




JR八戸線終点、久慈。
 久慈、三陸鉄道乗車

 JR八戸線は久慈駅で終わりである。八戸から気仙沼まで、一応線路で結ばれてはいるが会社は分断されている。JR-三陸鉄道-JR-三陸鉄道-JR、ビッグマックみたいだ。
 駅の置物に代表されるように、久慈ではある種独特のオーラを放つものが目に付いた。侮り難し久慈。ダテに難しい字の土地じゃない。

 三陸鉄道に乗り換える。青春18きっぷを持っていれば一日フリーパスを買えるということなので、早速その恩恵にあずかる。三陸鉄道も他の第3セクターの例に漏れず、経営的にはやはり苦しい。フリーパス意外にも随所に工夫が見られた。
 

不気味な人形がお出迎え。

やけにレトロな看板。

怪しいアトム。

正体不明。

勇ましい店名。

三陸鉄道久慈駅。JR久慈駅に隣接。

青春18きっぷを持ってると買える。

不思議の国の北リアス。原型を留めていない語呂合わせ。

普通列車なのに車内販売。

しかも自販機まで。



「陸の孤島」に通る鉄道を進む。
 田老町、日本一の防波堤

 三陸鉄道の通っている地域は昔「陸の孤島」と呼ばれていたらしい。確かに周りには何もない。
 田老駅で途中下車する。どう考えてもこの駅にまた来ることはないような気がする。

 田老町の歴史はそのまま津波との戦いの歴史である。昔、父親の仕事の都合上盛岡に住んでいたときに「ニュースプラスワンいわて」あたりで確かそんなことを言っていた。とりあえず、銀色のしぶきとかそういう甘い世界ではない。そうして高さ10m65cm、長さ2433mという日本一の防波堤が作られた。防波堤は町を守るように二重になっていて、その名を「田老万里の長城」という。2.5km弱で万里の長城とは大きく出たが、町にとって何物にも代え難いくらい重要なものであることは確かである。
 

もう二度と降りることはないだろう駅。

通り過ぎる地元中学生。

日本一の防波堤。

その壁画。

「田老万里の長城」というらしい。城はないけど。

絶叫、飛翔、歓喜。なんかすごいことになっている。



宮古駅始発。
 台風襲来、岩泉線に乗る

 一日かけて北から大回りして宮古に到達し、一泊していよいよ本題の岩泉線に乗車だ、というときに問題が発生した。
 またもや台風である。
 丁度この日台風15号が接近し、秋田から青森まで東北を横断するルートを辿ろうとしていた。もろに直撃である。一体どうなるのか。というか、僕はもうこういう星の下に生まれている人間なのか。ホテルでニュースを見ながら自分のあまりの雨男っぷりにもはや諦めすら感じつつ、その日は床に就いた。

 翌朝、窓の外を見ると若干風は吹いているものの、雨は降っていなかった。天はまだ僕を見放してはいなかったようだ。ニュースでは相変わらず台風がどうとか言っている。しかし、これが嵐の前の静けさだろうが何だろうが、とりあえず列車が動けばそれでいいのだ。
 僕は意気揚々と5時54分発、岩手和井内行き岩泉線始発に乗り込んだ。

一発目は岩手和井内止まり。

このような経路を辿ります。ちなみに岩泉線は茂市以降。

これに乗ります。

もちろん客はいない。
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