特別企画9-3

特別企画９・岩泉線に乗る

茂市駅舎。	茂市駅と岩手和井内駅　ほどなくして茂市駅に到着。過去にここを通ったときとは違うホームに列車が停車している。これがあの岩泉線入口だ。いやがおうにもテンションは高まる。　数分停車後、岩手和井内駅へ。カメラを持ったマニアがお出迎え。駅は荒れ果ててこそいないものの、何か殺伐とした雰囲気を醸し出していた。　列車は岩手和井内までで一度茂市に戻り、その後岩泉へ向けて出発する。この岩泉線途中の秘境地帯をゆっくり見る機会に勿体ない気もしたが、一応、念のため僕もその列車に乗って戻ることにした。台風の影響で急遽運休になって、ずっとここで終わりのない待ちぼうけを食うことになるのはさすがにまずいからだ。そのくらいこの近辺は辺境の地であり、他の交通手段もないのである。　天気は相変わらず晴れていた。しかし、外の風は段々とその強さを増し、事態は新たな展開を迎えようとしていた。
割と長い営業時間。	待合室の本棚。渋め多数。
岩泉線始発はなぜかここで折り返す。	マニアがお出迎え。
駅舎内。がらんと。	駅舎内②。なぜかこんなものが。
カレンダーはまだ1990年。	岩手和井内駅舎。
駅前にあった商店らしき建物。やっているのか。	ここも店らしい。

運命の押角駅手前。	やはりこれはネタなのか　再度茂市まで戻り、仕切直して岩泉に向けて出発。この時点で心配していた運休はなし。極めて順調だ。しかしこのとき、既に運命の歯車は音を立てて回り出していたのである。　全国的に有名な秘境駅、押角。この手前で列車が急ブレーキをかけ停車した。一体何が起こったのか。　車掌さんが、今の急ブレーキでケガはなかったか、と訊いてきた。そして間髪入れず、強風のせいか線路に向かって木が倒れていた、との説明があった。すぐ走るから大丈夫だと言っていたが、復旧作業に当たっているのは乗務員の二人だ。本当に大丈夫なのか。ちょっと眩暈がした。　その後、同様の事態が二度ほど発生し、その度に「急停車→乗務員による復旧作業」の過程が繰り返された。かつて北海道で有珠山噴火に遭遇し、南に行けば大雨で鹿児島本線に大木が倒れて列車が半日以上遅れた。やはり僕はこうなる運命にあるのだろうか。
立ちはだかる折れた木。	もちろん携帯は圏外。
車掌さんが降りていって	復旧作業。

岩泉線の終着駅。	岩泉　定刻より遅れて終点岩泉に到着。風はさらに強さを増していた。　あれだけ木が倒れて急停車を繰り返していたのだから当然といえば当然だが、折り返しの岩泉線はしばらく走らないという話だった。途中駅で折り返しの上り列車を待つ人にも車掌さんは事情を説明していた。　岩泉からは盛岡までバスで抜けることにしていたので折り返し列車運休の影響はなかったが、列車が遅れたせいでバスの時間には結構ギリギリだった。　公共交通機関を利用して岩泉まで来る人の中で岩泉線の利用客がほぼ皆無に等しいのは、バスの方が利便性が良いからである。しかも盛岡-岩泉-龍泉洞間のバスに至っては出しているのが同じJRなのだ。ここまで来るともはややる気の問題に近い。確かに「岩泉線＝存在意義を問われる」という図式が成り立つのも納得が行くような気がする。
中学生が何人か降車。遅刻を喜んでいた。	歓迎どうも。
岩泉駅舎内。広い。	でも一日３往復。
乗って守ろう岩泉線。	岩泉駅舎。やはりでかい。
龍泉洞だけに龍。	なぜか「めぞん一刻」の五代君。
守備範囲が広い。	ニューコンパ。
列車よりバスの方が利便性が良い。しかも同じJR。	バス到着。
盛岡まで行きます。	途中早坂高原にて。風強すぎ。

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